キルリアン
第二章    精 霊 波


     ロートの身体を精霊波(キルリアン)が包む。
     それは幾万のルビーを散りばめたドレスを纏う様に燦然と
     輝きを放っていた。美しい指の一筋が動く度に遷ろうその輝きも、
     ゲッティンゲンの濁り、焦点を失った瞳には写る事すらない。
     虚ろな瞳が自分の身体を焼く炎を捉えた刹那、
     精霊波検知器(キルリアン・ディテクタ)が断末魔の悲鳴にも似た音で
     豪奢な部屋に鳴り響いた。
     

[ 風の心 ] or NEXT STORYor GRAPHIC(挿し絵)



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