フェアブリュッフング
第十六章 戸 惑 い
再会を果たした望達から離れ、風に身を任せ花園へとシアは舞った。
彼女を包む風が彼女に問い掛ける。 …望みは叶った?…
時から隔たり光すら通り抜ける仲間を見つめ、シアは
肯定も否定も出来ぬまま自分の中に何かを探した。
いとおしさ。切なさ。苛立ち。憎しみ。怒り。 人がそう呼ぶ
かつての自分に無かったそれらが、シアの困惑と不安とを募らせる。
変わる自分から失われるもの。手に入るかも知れないもの。
輪舞曲(ロンド)のようにシアの心は同じリズムを奏で続ける。
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