テューフ ツァイヒヌング
第十四章   扉   絵


     一時の休息。暁闇に包まれていた朝靄を切り裂いた陽射しが
     桜紋の頬を優しく撫でる。開いた星空の色の瞳が望の姿を探した。
     桜紋の呼びかけに朧に現われる望に、桜紋は自分の願いを口にした。
     「私を描いて…」 望は願いのままにコンテを走らせる。
     コンテの厚みの分だけ不分明な想いを込め描かれる一枚の絵は、
     望、桜紋、そしてシアの心の波紋を深い色を湛えた湖に写していた。
     
     

[ 風の心 ] or NEXT STORYor GRAPHIC(挿し絵)



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