ディ フェアガンゲンハイト
第十章 過 去
人の身では遡行することの適わない時の流れ。
その向こう岸に決別した筈の想いが陽炎の様に揺らめく。
ブラオにもロートにも、そしてシュヴァルツにも時の流れは等しかった。
だが、その流れが人に刻むのは、ある者には温もりであり、
ある者には決して癒えぬ、氷刃に穿たれ、凍り付いた深い傷であった。
そして、桜紋の過去も目覚めと共に今にその影を写す。
[ 風の心 ]
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