第三章 勇者召喚


      かつて訪れた一つの破局は、天空の月の一つを砕き終焉を見た。
     しかし、最後の闘いが召喚された勇者の心に残したものを知るものは
     いない。
      数百年を過ぎた世界の流れを、レティシアの読む年代記から将人は
     知る。その直後、王朝の三百五十年式典の直前、世界中を繋ぐ新たな
     魔導通信システムが紡ぎだした燐光は一瞬にして世界を縛る。
     彼方の地での男の哄笑は、聞く者もなく夜の闇に溶けてゆく。
     

[ 青き風と共に ] or NEXT STORY or GRAPHIC(挿し絵)



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